伊藤洋一郎の理《RI》

深淵なる蒼い時間

 

伊藤洋一郎(1929-2004)

徳島県徳島市に生まれる。

旧制中学を中退して陸軍航空隊へ。特攻隊要員として中国大陸で終戦を迎える。

 

以来徒党を組まないことと、定着しないことを心掛けて生きている。エゴイスティックな雑誌「自由工房」の編集長という役柄は、とても気に入っている。

           ―1993.1 執筆時の自己紹介―



    伊藤洋一郎の理《RI》絵画⇔写真                             ◆  画像クリックで随筆・評論

作品には、或る年令に達した者にしか表現し得ない「何か」が存在し、見る者を圧倒する。油彩を下地にその上にクレパス、オイルパステルを塗り重ね、それを削り又塗り重ねていく。その行為を繰り返す中に伊藤洋一郎の「物語」が誕生する。掲載写真ではお伝えしきれないのが残念であるが、静けさと熱を帯びた作品である。

                                          ― 大岩紀子 ―


 

vol.001

 

      vol.003

 

vol.005

 

        vol.007

 

vol.009

 

vol.011

 

vol.002

 

vol.004

 

vol.006

 

vol.008

   

        vol.010


    少年兵の手記  無意識の熱情から軍隊生活の不条理な価値観のもと  1944-46          ◆  画像クリックで随筆

伊藤洋一郎と出逢って間もなく話したことは、十七才のとき中国大陸で終戦を迎え、南京での捕虜収容所のことだった。わたしは父との確執から異常なほど戦前、戦中、戦後のことに関心をよせて本を読んだり、映画を見たり、人に話を訊いていた。そのときいた話は思いがけないことが多かった。親しくなってからの印象は、戦前の教育を受け戦場を体験した人とは思えない姿だ。ひとつだけ日常で感じられたのは、毎晩机の上を整理し、着たものをきちんと畳み就寝することだった。七十才を過ぎたころから、日記を書き出し、それからこの手記を書きはじめた。どれほど、重く、心のなかで発酵していたのだろうか。


 

no.001

 

no.003

 

no.005

 

no.007

 

no.009

 

no.011

 

no.013

 

no.015

 

                no.017

 

no.019

 

no.021

 

no.002

 

no.004

  

        no.006

 

no.008

 

no.010

 

no.012

 

no.014

 

no.016

 

no.018

 

no.020